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10.2次方程式の解の配置

1.全実数で成り立つ2次不等式

このページは電子ブック「探求 数学Ⅰ」の一部です。 <判別式と二次関数の正負> 下に凸なとき、判別式Dが負であることと、2次関数が正(x軸の上にある)は同値 下に凸なとき、判別式Dが0以下であることと、2次関数が0以上(x軸以上)は同値 上に凸なとき、判別式Dが負であることと、2次関数が負(x軸の下にある)は同値 上に凸なとき、判別式Dが0以下であることと、2次関数が0以下(x軸以下)は同値 すべての実数に対してつねに正または負などとなる不等式を絶対不等式と呼ぶことがあります。 (例) 「すべての実数xについて、f(x)=mx2+6x+2m-3>0が成り立つときのmの範囲」は? m>0とD=36-8m2+12m=-4(2m2-3m-9)=-4(2m+3)(m-3)<0が両方成り立つから、m>3 (例) 「すべての実数xについて、f(x)=x2+2kx-3k+4>0が成り立つときのkの範囲」は? D/4=k2-1・(-3k+4)=k2+3k-4=(K+4)(k-1)<0。kの範囲は-4と1の間。 (例) 「すべての実数xについて、f(x)=(k-2)x2+2(k-1)x+3k-5>0が成り立つときのkの範囲」は? D/4=(k-1)2-(k-2)(3k-5)=k2-2k+1-3k2+11k-10=-2k2+9k-9<0 2k2-9k+9=(2k-3)(k-3)>0から, kは3/2より小か3より大で、x軸から離れる。つねに正であるためには、さらに2次の係数が正。 k-2が正だから、kは2より大という条件が追加されるので、まとめるとkの範囲は3より大。

★判別式の値に目をつけよう

2.解の正負

<異なる2解> y=f(x)=0の2解の配置 ・ともに正   判別式Dが正、y切片f(0)が正、  軸x=aが正。 ともにpより大 判別式Dが正、x=p切片f(p)が正、 軸x=aがpより大。 ・ともに負    判別式Dが正、y切片f(0)が正、  軸のxが負。 ともにpより小 判別式Dが正、x=p切片f(p)が正、 軸x=aがDより小。  ・1つ正1つ負  y切片f(0)が負だけでよい。 (理由) y切片f(0)=c<0 でa>0ならD=b2-4ac>0だから ・2解の間にx=p x=p切片f(p)が負だけでよい。 (理由) y切片f(0)=c<0 でa>0ならD=b2-4ac>0だから ・2解p,qと0,1,2が0,p,1,q,2の順に並ぶ f(0),f(1),f(2)の順に正、負、正となる。 (理由)中間値の定理からfの正負の変化の途中で1回は交わるから。 (例) 「f(x)=x2-ax-a+8=0が異なる2つの正の解をもつaの範囲」は? D=a2+4a-32>0とf(0)=-a+8>0と軸のx=a/2>0がすべて成り立つから、aは4と8の間。 (例) f(x)=x2-2ax-a+2=0が正負の解を1つずつもつaの範囲」は? y切片f(0)=-a+2<0だから、a>2。

★3条件の成立を確認しよう

3.解の範囲指定

解の範囲指定する問題では、関数値の正負、関数値の積の正負が重要になる。 2次方程式y=f(x)=0 ・解の1つだけがaとbの間にあるとしたら、f(a)とf(b)は異符号だから、積が負になる。 ・解の2つがaとbの間にあるとしたら、f(a)とf(b)は同符号だから、積で正になる。  さらに、判別式D>0で軸が範囲内にある。 ・解が1つもaとbの間にないのは、解が0個か、解があり軸が範囲外でf(a)f(b)が正または0 (解がx=aはちょうどaなので、aとbの間ではないので、注意!) (例) 「2次方程式f(x)=x2+(a-1)x-a2+2=0解が-2と0の間と0と1の間に1つずつ入るaの範囲」は? 下に凸の関数なのでf(-2),f(0),f(1)の順に+ー+。 f(-2)=4+(a-1)(-2) - a2+2=-a2 -2a+8=-(a2 +2a-8)=-(a+4)(a-2)>0 (a+4)(a-2)<0 aは-4と2の間。範囲A f(0)= - a2+2=-(a2 -2)=-(a+√2)(a-√2)<0 (a+√2)(a-√2)>0 aは-√2より小か、√2より大。範囲B f(1)=1+(a-1) - a2+2=-a2 +a+2=-(a2 -a-2)=-(a+1)(a-2)>0 (a+1)(a-2)<0 aは-1と2の間。範囲C 範囲A,B,Cの共通範囲はaは√2と2の間。 (例) 「2次方程式f(x)=x2+2ax-2a+3=0解がすべて-2と1の間入るaの範囲」は? f(1)=1+2a-2a+3=4>0だから、f(-2)=4-4a-2a+3=-6a+7>0で a<7/6。範囲A 解が重複する場合も含めてD/4=a2+2a-3=(a+3)(a-1)>=0で、aは-3以下か1以上。範囲B 念のために、軸x=-aが-2と1の範囲にあるか、aは2と−1の間。範囲C 範囲A,B,Cの共通範囲はaは1以上7/6より小。 (例) 「2次方程式f(x)=x2-2ax+a+2=0解が少なくとも1つ1と3の間入るaの範囲」は? 余事象は1つも1と3の間に解がないとき。 ・解なしはD/4=a2-a-2=(a-2)(a-1)<0から、aは1と2の間。範囲A ・解あり(aが1と2の間でない)のときは、軸x=aが1と3の間になく、際の関数値の積は正。 f(1)f(3)=(-a+3)(-5a+11)=(a-3)(5a-11)>0で、aは11/5以下か3以上が追加される。 まとめると、aは1より小さいか3以上。範囲B 範囲Aまたは範囲Bは、aの範囲が2より小さいか3以上。範囲C 範囲Cの補集合は、aの範囲は2以上3より小。