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自由度1

自由度は、ここで扱うリンク機構に限らず、様々な分野で扱われる概念ですが、 ここではリンク機構の言葉で説明します。 自由度とは、文字どおり、機構がどれだけ自由に動くかを示す数値です。 その基準は、次元と関係します。 まずは、具体的な例で見て見ましょう。
複写器です。 このリンク機構において、他の場所を抑えない状態で、赤い点は円の内側を自由に動きます。 そして、赤い点の位置を決めると、それに対応して他のすべての点の位置も決まります。 つまり、このリンク機構は、一つの点は平面を自由に動き、他に独立して動く点はない、という機構です。 平面は2次元ですから、このリンク機構の自由度は2、となります。 実は、上の文にはいい加減な部分がいくつもあります。 まず、「他のすべての点の位置も決まる」と言っていますが、必ずしもただ一つに決まるわけではありません。 実際は2通りあり、下の図の change ボタンをクリックして確認できます。
さらに、赤い点が左の固定点と完全に重なったときには、つなぎの2点は円を描くことができ、 位置が決まるとは言えません。 そういった有限個の可能性や例外は、機構の自由度を考える際には一旦無視しています。 さらに、「一つの点は平面を自由に動く」というのも、正確には円の内側で、 平面全体を動き回れるわけではありません。 ここでは、動ける範囲が何次元の空間に属しているか、という点に注目して、「平面」と表現しています。
ポスリエの反転器による直線器です。 赤い点が円周という曲線、すなわち1次元上を動き、他の点もそれで決定するので、 この機構の自由度は1です。 自由度は、そのリンク機構の形(配置と言います)を「いくつの数値で表せるか」、と表現することもできます。 赤い点の位置は、固定点と繋がったリンクの角度で表せます。 角度はもちろん1つの数ですから、やはり自由度は1です。 青い点の位置、もしくは他の点の位置でも配置は決定できます。どの点もやはり円や直線上を動いていて、1つの数値で表せます。
よりシンプルな、ひし形のリンク機構です。 複写器と同じく自由度は2です。 赤い点が平面を動いて、それによって配置が決定する、とも言えますが…
同じリンケージをこうして見ると、円を描く点2つの位置で配置が決定する、とも言えます。 この場合、2つの点の位置は角度など1つの値で表すことができ、計2つの数で配置が決定します。 こうして見ても、やはり自由度は1です。 自由度はリンク機構ごとに決まっていて、機構のどの点に注目して考えても、同じ自由度が導けます。