ガリレオと振子

作成者:
Bunryu Kamimura

振り子の動き

  『振り子』 彼は、自然をブラックボックスと考え、いろいろな入力をしてその出力によって自然の働きが何であるのかを調べたのです。 ・・それは実験のこと? 理科では実験ともいう。ガリレオ=ガリレイによる、落体の法則の研究は、自然の法則(関数)がまさにブラックボックスの様なものであり、彼はそれを調べる為に、繰返し実験を行ない、そのデータを整理して法則を発見したのです。 たとえば、彼の発見した法則の一つに振り子の法則がある。 君たちも同じ様に発見できるのかやってみよう。 彼は、お父さんの希望通りに医者になるか数学者になるか悩んだ結果、この法則を発見して、医学に応用し数学者になることを決めたという。 ここに同じ長さの振り子があります。大きく揺らすのと小さく揺らすのではどちらが時間がかかるでしょうか。 ・・大きく揺らすと速くなる。 ・・小さいと動く距離が少なくてすむ。 ・・もしかしたら、同じではないかな。 (実験) ・・回数が少なければ、そんなに変らないな。 ・・でも、なんとなく違うような気がするな。 同じ長さの振り子があります。一方の重りの重さを2倍にすると、どちらの方が時間がかかるでしょうか。 ・・重いと動きが鈍いし、軽いと動きがすばやい。 ・・今度も、同じではないかな。 (実験) ・・重い方が長くゆれているけど、変らないね。 ・・でも、軽いのはすぐに止る。 振り子の長さを2倍にすると時間はどうなるでしょう。 ・・時間は2倍になる。 ・・変らない。 (実験) ・・長い方が10回揺れる間に、短い方は14回だ。 ・・ということは、1.4倍だ。 振り子の長さを3倍にすると時間はどうなるでしょう。 ・・3倍ではないな。 (実験) ・・長い方が10回の内に、短い方は17回。なんで17なんだろう。半端だな。 振り子の長さを4倍にすると時間はどうなるでしょう。 ・・あれ、10回で20回だ。ぴったり2倍。 今までやったことを、整理して法則を見つけてみよう。 ・・表にするんでしょう。  長さX  1   2   3   4      時間Y  1  1.4  1.7   2 ・・もしかしたら、YはXの平方根じゃないの。 もしその発見が正しいとすると、振り子の長さを5倍にすると? ・・2.2になるはず。 彼は、このことを発見して時間を振り子の長さで計れることを知った。そして、病人の脈を測るのに利用したのだ。 一説によると、彼は教会に医者になるべきか、数学者になるべきか悩みを神に聞いてもらいに来た。そして揺れる心と同様に、揺れるランプを見ながら、発見したといわれている。 ・・ガリレオが振り子の揺れる時間を計るのに、何を使ったのですか。 ・・脈拍じゃないの。 その通りです。脈拍は案外正確なのです。 ・・でも、なぜ平方根になるのか不思議だね。