算額アーカイブ
和算家たちはすでに発見していただろうけど・・・この3つの円は3:4:5になっている。さらに・・・
この問題は算額としてとても良い問題
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この問題の元の算額
この問題は具体的であるからいろいろな現象が現れてくる。
和算の問題として典型的である。
【術に曰く】
△ABCの内接円の半径をRとする。
「内接円の術」を用いて、Rを辺で表す。
(AK+KB)+(KBー4+CJ)ー(CJ+28+AK)=2R なので
KB=R+16とわかる。
KB-4=BHなのでBH=BJ=R+12。
CD+DBーCB=32…①, AD+DB-AB=24…②, AB+BC-AD-CD=2R…③
①+③ AB+DB-AD=2R+32 ②+③ BC+DB-CD=2R+24。
△AKQ∽△ABCなので、BC:KQ=AB:(AB-BD+AD)/2。
KQ=(BC*AB-BC*BD+BC*AD)/2AB 一方、相似よりBC*AD=AB*BD, AB*DC=BC*BDなので
KQ=(BC+BD-CD)/2
=R+12と求まる。
よって、QE=QF=Rなので、△EQI≡△QEL。
鉤股弦(ピタゴラス)の定理でRの値を求めることができる。
R=20と求まるので、他の辺の長さも比で求まる。
結論を言えば、この3つの直角三角形は相似だから、3つの内接円も相似で三平方の定理が使える。
算額の作者もこの考えで解いている。
これは一般化できるだろうか。⇒Aを動かしてみよう。
和算入門
直角三角形についての和算家たちの発見した様々な性質が面白い。