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ブラとケットでブラケット?

このワークシートはMath by Codeの一部です。 量子力学の表記のひとつにブラとケットがある。 今回は、ディラックのブラとケットの代数をみてみよう。

1.ブラとケット

<ブラとケットの内積がブラケット> ベクトルの内積を表すための記号として、 状態関数φj(x)を列ベクトル=|φj>とかき、ケットという。 観測のための関数φi*(x)を行ベクトル=φi|とかき、ブラという。 ブラはケットベクトルの共役転置をして作れる。 そして、ブラとケットはつないだ<φi | φj>で、内積<φi、φj>=∫φi*(x)φj(x) dxを表す。 ブラケットという。 さらに、演算子を使った内積もよく使う。 <φi | F | φj>で、<φi、Fφj>=∫φi*(x)Fφj(x) dxを表す。<i | F | j >とかくこともある。 (例) 物理量Oの期待値Oを演算子Pを使って表すのに、<O>=<ψ|P|ψ>=∫ψ*Pψdx このように、読み書きすることをディラックさんが定めた。 <完全直交正規基底(CONS)を作ろう> 量子力学の1つの演算子(行列)について固有値λiと固有ベクトル(固有関数)φiをあつめよう。 それを正規化すると、別の固有値の固有関数とは直交するから直交正規基底ができるね。 どんな状態ケット|f>も基底の線形結合で表すことができる。 |f>=c1|φ1>+c2|φ2>+…+cn|φn>=Σci|φi> ( ciをfの展開係数という。) 展開係数のi番目ci=<φi, f>となる。 なぜなら、ブラ<φi|とケット|φi>の内積は、<φi, φj>=δijだから、ブラの番号iと一致する係数だけ 残るからだね。 すると、状態ケット|f>は言い換えができる。 |f>=Σ<φi, f>|φi>=Σ |φi><φi,f>=(Σ|φi><φi|)|f>  すると、Σ|ei><ei|がψ>を不変にしていることがわかるね。 だから、^I=|φi><φi|は恒等作用素といえるね。ケットブラと呼ぶ。

2.演算子とケット

<演算子とケット> ブラケット表記で演算子を使ってみよう。 <i | j>=δij, Σ|i><i|=1とすると、n次の完全な正規直交基底となり、{|i>}はCONSだね。 状態ψのi列ベクトル|ψ>をとりだすにはci=<i|ψ>=c 状態ψのi行ベクトル<ψ|をとりだすにはci*=<ψ|i>=#c(共役転置) これらの内積は<ψ|ψ>=Σ<ψ|i><i|ψ>=#c・cで計算できる。 演算子Fによる状態ケットψへの作用は<i, Fj>|ψ>=<i|F|j><j|ψ>とかく。 すると、 状態ψに対して演算子Hを作用させても不変になるとき、 H|ψ>=E|ψ> という式ができる。 これをΣでかこう。 Σ<i | H | j><j | ψ>=E<i | ψ> これを行列とベクトルにすると、 行列×列ベクトルc=E・列ベクトルc となるので、行列Hの固有値問題となるね。 <期待値> 状態ψのエネルギー期待値Eは、 右側の | ψ>で現在の状態を用意し、 演算子 H を作用させて各成分をエネルギー E_i 倍し 左側の<φi | でそれらを集計(内積)する。 <E>=Σ <ψ|φi> Ei <φi | ψ> = <ψ|H|ψ> 

3.CONSでブラケット

{Em}=1/√2π{....., exp(-i2θ), exp(-iθ), exp(0), exp(iθ), exp(i2θ),......}は正規直交関数だったね。 Emを使うと、 f(θ)=Σ am | Em>( m=[-∞、∞] ) のように 2π周期関数f(θ)が複素数三角関数の級数として表示できるということだね。 <フーリエ級数> {Un(x)}=1/√π{1/√2, cosx ,sinx, cos2x, sin2x, ........} も正規直交する基底関数だ。(xが-π以上とπ未満) f(x)=Σ am | Um> ( m=[0、∞] ) のように2π周期関数f(x)がUnの級数として表示できる。 これがフーリエ級数だった。 フーリエ級数が正規直交関数系(直交多項式)でできてることが、 フーリエ変換や微分方程式の解法つながった。 (例) フーリエ級数y=1・sinx+1/3 ・sin3x+ 1/5・sin5x は、  3つの正規直交基底Fm={sin x, sin3x, sin5x}の一次結合。  (正規直交関数である理由)  (sinx・sin3x)=(sin3x・sin5x)=(sin5x・sinx)=0  (sinx・sinx)=(sin3x・sin3x)=(sin5x・sin5x)=π。  ∫XYdx[ -π, π] は奇関数X×奇関数Y=奇関数の積分は原点対称で0になる。  X=mxとして、∫(sin X)2 dx=1/2 ∫(1- cos 2X) dx =1/2 ∫1 dx-1/2 ∫cos 2Xdx=1/2[x][-π,π] -0=π。 他にも微分方程式の解法につながる正規直交関数系(直交多項式)の仲間がある。 それをさぐっていこう。 <ルジャンドル多項式> ルジャンドルの微分方程式(1-x2)y''-2xy' +n(n+1)y=0 (N∍n) この基本解の1つはn次多項式y=p_n(x)=1/(2n・n!) (d/dx)n [(x2-1)n ] この多項式の関数ベクトルを{Pn}={p_n(x)}としよう。 これは区間[-1,1]で重み関数w(x)=1に対する直交多項式系だ。 このとき、 任意のn次多項式は{Pn}の一次結合で表示できる。 g(x)がn-1次多項式で<Pn| g>=∫pn(x) g(x) w(x) dx=0から、 pn(x)とgは直交する。 g(x)がn次多項式で、g(x)がPn(x) (n=1からn-1)とw(x)と直交するなら、g(x)はP(n)の定数倍になる。 {Pn}のノルムはCn=2/(2n+1)なので、 ∫1Pk(x)Pn(x) dx[-1,1]=Cn・δkn=if(k=n, Cn, 0) {Un(x)}={1/Cn Pn(x)} (N∍n)で正規化された直交多項式系になるね。
課題:フーリエ変換のイメージをgogebraで視覚化するにはどうしたらよいでしょうか。 フーリエ変換は、f(t)という時間領域の非周期関数から、F(k)という周波数領域の連続関数への変換 だった。変換のイメージをつかむだけなら、f(t)が周期関数で、F(k)が離散値でもよいね。 たとえばノコギリ波の時間関数は、 para=Sequence(n)という自然数列に連動して、 sw(x)=Sum(Zip(((1)/(m)) sin(m f*2 π x) (-1)^(m+1),m,para)) これをグラフィックビューで表示する。 周波数の分布リストは、 saw=Sequence($point(k,(((-1)^(k+1))/(k))),k,1,n) 別のグラフィックビューで表示する。 これを上下に並べてみると、連動がよくかるね。 他の三角波、矩形波でも同様にできる。 それをスライダーをつけて、整数値を変化させることで、表示の切り替えができるね。 周波数の深さnを変えると、関数のSumの深さも点列の数も連動して変わえられるね。 深さを多くするということは、エネルギーの基底数をふやすということになるね。 詳しくは、アプレットの数式を見てください。 このアプレットで3つの波を切り替えてみましょう。 不連続性の代償(ギブス現象) 矩形波や鋸歯状波のように「カクカクした」波を作ると高周波点列消えず「ツノ」が残る。 急激な変化(高エネルギー状態)の表現には、無限の基底が必要になるってことだ。 エネルギーの集中 三角波では係数が 1/k^2で減衰するため、低周波の数点だけでほぼ元の形が再現されます。 これは「なめらかな物質の状態」は、低エネルギー基底だけで効率よく記述できるってことだね。

フーリエ変換と周波数成分