電子もつぶ波か?
このワークシートはMath by Codeの一部です。
光は波動波が優位と思われた矢先、
光電効果が見つかり、アインシュタインの光量子仮説が出てからは、
光は波であるだけでなく、粒でもある。
つまり、光はつぶ波?という流れになった。
このつぶ波が電子にもあてはまるというのが、今回の内容。
電子もつぶ波?
1.長岡・ラザフォードの模型
<長岡・ラザフォードの模型>
ガスを閉じ込めた管に電流を流すと光がでる。
その光を分光器で調べると、波長のスペクトルが線となって出てくる。線と原子は対応していて、
水素原子のスペクトルの波長を調べると、364.5の有理数倍になることをバルマーさんがみつけた。
バルマーは波長λ=364.5×(n2/(n2-4))という公式を見つけた。
そこから、原子の構造を探る動きが加速する。
トムソンの中心のないスイカ型
長岡半太郎の中心のある土星型
1897に電子が見つかり、1911に原子核が見つかった。
ラザフォードのα線(ヘリウムイオン)を原子に当てる散乱実験により、原子の質量が中心に固まっていることがわかり、土星型が支持される。
半径rで円運動をしている電荷eの電子の加速度は
遠心力F=ma=mrω2=1/4πε0 * e2/r2をmで割って、
a=v2/r=rω2=e2/m4πε0 r2
エネルギーE=-1/2 mv2=-1/2 m *r a =-1/2 m * e2/m4πε0 r
=-e2/8πε0 r
しかし、電子は荷電していて加速度運動をしているので、電磁波を出してエネルギーを失い、
一瞬で原子核に落ち込むなどの問題が指摘された。
2.ボーアの模型
<ボーアの模型>
原子は定常状態ではとびとびのエネルギーをもつ。
E= E0, E1, E2, ....
光のエネルギーhνの出し入れに伴い、電子は定常状態を渡る。
<振動数条件(これはラザフォードと同じ)>
水素の原子モデル
定常状態での電子は古典物理で運動がかける。
電子が原子核+eの周りを電子-eが等速円運動をするとき、
(A)電子が受ける力はF=ma=mv2/r= e2/4πε0r2
(B)エネルギーはE=T+V=1/2 mv2 -∫Fdr= - e2/8πε0 r
rが決まればエネルギーEが決まるということ。
ここまではrは連続的に変われる。
<量子化条件(ボーアの角運動量のつぶ)>
そこで、ボーアはrをぶつぶつに切るために、
角運動量の量子化したものl=n (n=1,2,3,...) (ディラック定数 =h/2π)を導入する。
(C)l=|l|=|r×p|=|r||p|sinθ=mvr= n
(A)の両辺にmr3をかけて、(C)から、me2r/4πε0 = (mvr)2=n2 2
rについて解くと、rn=4πε0 n2 2/me2=n2a0 (a0= a0= 5.3×10-11)量子化された回転半径
En=-1/2n2(e2/4πε0 a0)= -1/2n2 Eh (Eh=27.2114eV)量子化された定常状態エネルギー
この発想で計算すると、水素原子でのエネルギー遷移のバルマー公式が確認された。
しかし、計算上合うという段階、無理やり感はぬぐえない。
ボーアモデルは、電子が荷電粒子で加速度運動をするから定常状態は不可能。
3.ド・ブロイの模型
<ド・ブロイの物質波>
そこで、電子もつぶ波ならば、定在波で離散スペクトルが説明できるのではないかと
ド・ブロイは考えた。
電子という物質も波という性質があるだろう。だから物質波。
電子を波としたときの振動数νと波長λ
つぶとしてのエネルギーEと運動量p、これらをつなげることで、
電子も光と同じくつぶ波、つまり、量子だといえるのではないか?
光子のエネルギーE=hνから、
振動数ν=E/h
特殊相対性理論のローレンツ変換の縮小係数k=sqrt(1-(v/c)^2)により、
自由粒子運動の電子ではポテンシャルエネルギーV=0として、
ラグラジアンL=T-V=-mc^2 *kとする。
一般化運動量p=∂L/∂x'=∂/∂v(-mc^2 *sqrt(1-(v/c)^2))=-mc^2 1/2 /k (-2v/c^2)= mv/k
これから、p^2=m^2v^2/((c^2-v^2)/c^2)= m^2v^2c^2/(c^2-v^2)
p^2c^2-p^2v^2=m^2v^2c^2
v^2=(cp)^2/((mc)^2+p^2)
ハミルトニアンH=x' p -L=vmv/k -(-mc^2*k)=.....=mc^2/k
=mc^2/sqrt(1- p^2/((mc)^2+p^2))=......=sqrt((mc2)2+(cp)2)
だから、
自由粒子の力学的エネルギー
E=sqrt((mc2)2+(cp)2)
電子には質量があるけれども、もしも光子同様m=0とすると、E=cp
光速c=波長λ×振動数ν =λν
振動数ν=E/h=c/λとなり、E=ch/λ
このEの2式より、p=h/λだから、
波長λ=h/p
これで、電子の波としての波長λとつぶとしての運動量pが1つにつながった!
<電子でもヤング実験しよう>
1個の電子のヤングの2重スリット実験
1個ずつ電子を飛ばすと、1個のあとがスクリーンに残るという粒らしさが毎回確認できる。
1個の電子を放射すると、電子は自分と干渉するという波らしさがある。
電子放射を続けると干渉した結果としての縞模様が現れる。より波らしさが残る。
ボーアの量子条件はmvr=n
λ=h/p=h/mv
円周2πr=nh/mv=nλ
=波長が整数個ピッタリ入る。
課題:ドブロイの定常波をgeogebraでかくにはどうしたらよいでしょうか。
変数をスライダーにしましょう。
nは波の数
1から10で1刻みでアニメーションすると変化がわかりやすいです。
Aは振幅で0から1で0.1刻みで0.6が初期値、軌道半径rは1以上5以下で0.1刻みで3.7が初期値。
定常波は極座標にします。
一定の円はa=Curve(r(cos(t),sin(t)) ,t, 0, 2π) になります。
これを点線で書いておきます。
同じ周期の円f=Curve(R(cos(t),sin(t)) ,t, 0, 2π)を実線でかきます。
このR自体が、起動半径rを中心に波打つようにしたいですね。
たとえば、R=r+Asintにすると、Rとaの周期と同じです。
t=0,π,2πでR=rとなり、f=aとなります。
t=0.5π,1.5πでR=r±Aとなるので、RはAだけ凸凹しますね。
fのR=r+Asin(nt)とすると、sinが進む振動がn倍になり、周期がn分の1になるでしょう。
だから、最終的にはf=Curve((r+A sin(n t))(cos(t),sin(t)) ,t, 0, 2π)とすればいいですね。
自然の描写のために、正の数、負の数、有理数、無理数、虚数を含む複素数と
どんどん数自体を連続させて、拡大してきたのに、ここにきて、量子化
つまり、つぶつぶの整数に回帰するというのが不思議な感じですね。
スライダーでk=slider(0,2pi)として、
b=Curve((r+A sin(n t))cos(k)(cos(t),sin(t)) ,t, 0, 2π)を作ると、
周期はそのままで、波打つつぶ波が見られるよ。