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12.大小と級数展開

★sinxの有限近似は?

★cosxの有限近似は?

1.高次微分と級数展開

このページは電子ブック「探求 数学Ⅲ」の一部です。 <テーラー展開> ・さて、n次多項式f(x)はf(x)=a0+a1(x-a)+a2(x-a)2 +a3(x-a)3+ …+ an(x-a)nの形に書くこともできはずだ。 これをk回微分する。kを0からnまで実行してみよう。 (0回) f(x)=a0+a1(x-a)+a2(x-a)2 +a3(x-a)3 …+ an(x-a)n (1回)f'(x)= a1 +2a2(x -a)+3a3(x -a)2 + …+ nan(x-a)n-1 (2回)f''(x)= 2!a2 +3・2a3(x -a) + …+ n(n-1)an(x-a)n-2 (3回)f'''(x)= 3!a3(x -a) + …+ n(n-1)(n-2)an(x-a)n-3 .......... (n回)f(n)(x)= n!an 以上のn個の式でx=aとすると、f(a)=a0, f'(a)=a1, f''(a)=2!a2, f'''(a)=3!a,,........f(n)(a)=n!an。 これらのakをもとのn次多項式に代入すると、 f(x)=f(a)+f'(a)(x-a)+f''(a)/2!・(x-a)2+f'''(a)/3!・(x-a)3+......+f(n)(a)/n!(x-a)n このように、 k次項の係数をk階微分係数/k!で表すことを多項式のテーラー展開[Talor expansion]という。 テーラー展開を条件つきで一般の関数にも拡張できるとしたものがテーラーの定理[theoream]だ。 その特定の条件とは、 閉区間[a,b]で(n-1)階導関数が連続で、開区間(a,b)でn回微分可能というもの。 テーラー展開のx=bとして、aとbの間のcで次を満たすものがある。 f(b)=f(a)+f'(a)(b-a)+f''(a)/2!・(b-a)2+......+f(n-1)(a)/(n-1)!(b-a)n-1+f(n)(c)/n!(b-a)n これがテーラーの定理。 ・さらに、bをxに戻して変数化して、n→∞とした級数和の極限近似式が作られる。 区間のスタート地点x=aはそのまま残っているね。 f(x)=∑f(k)(a)/k!・(x-a)k =f(a)+f'(a)(x-a)+f''(a)/2!・(x-a)2+......+f(n-1)(a)/(n-1)!(x-a)n-1+Rn (剰余項)Rn=f(n)(c)/n!(x-a)n(cはaとxの間) これを、テーラー級数[taylor series]という。 <マクローリン展開> テーラーの定理で、b=a+h, (c-a) /(b-a )=θとすると、 b-a=h、c=a+hθ f(a+h)=f(a)+f'(a)(h)+f''(a)/2!・h2+......+f(n-1)(a)/(n-1)!hn-1+f(n)(a+θh)/n!hn となるね。 ・さらに、a=0、h=xとして、n→∞とした級数和の極限近似式ができる。 f(x)=∑f(k)(0)/k!・xk =f(0)+f'(0)x+f''(0)/2!・x2+......+f(n-1)(0)/(n-1)!xn-1+Rn (剰余項)Rn=f(n)(θx)/n!xn(cは0とxの間) これを、マクローリン級数[Maclaurin series]という。 マクローリンの級数展開は、テーラー級数展開の区間のスタート地点がx=aではなく、x=0に特殊化したものと考えられるね。(でも、この2人の級数展開は独立に発見されたものだと言われている。) (例) 「f(x)=exとするとき、f(x)のマクローリン級数を利用してeの近似値を求める」と? f(k)(x)=exだから、f(k)(0)=1。x=1とおくと、 f(x)=1 +x +x2/2! +x3/3! +....... +xn/n!+....... 1 1/1=1 1/2!=1/2=0.5 1/3!=0.5/3=0.16666666666666666 1/4!=0.16666666666666666/4=0.04166666666666666 1/5!=0.04166666666666666/5=0.008333333333333331 1/6!=0.00833333333333333/6=0.001388888888888888 1/7!=0.001388888888888888/7=0.00019841269841269831/8!=0.0001984126984126983/8=0.0000248015873015872 から、 e=f(1)=1+1+1/2!+1/3!+1/4!+1/5!+1/6!+1/7!+1/8! =1+1+0.5+0.16666666666666666+0.04166666666666666+0.008333333333333331 +0.001388888888888888+0.0001984126984126983+0.0000248015873015872 =2.71827876984127 (例) 「f(x)=sinxとするとき、f(x)のマクローリン級数を利用した近似式」を作ると? f(n)sinx=sin(x+n・π/2)から、微分回数がmod(n,k)=0,1,2,3で、sin→cos→-sin→-cosをくり返す。 だから、f(n)(0)はmod(n,K)=0,1,2,3で、0→1→0→-1をくり返す。 f(x)=0+1x+x2/2!-x3/3!+.......+{0,1,0,-1}xn/n!+....... sinx= x -x3/3! +x5/5! -x7/7!+...........+(-1)(n-1)x(2n-1)/(2n-1)!+...... このようにnに対して、±用にn-1を使い、指数と階乗用に2n-1を使うと、mod(n,k)の場合理由リストが不要になるね。 (例) 「f(x)=cosxとするとき、f(x)のマクローリン級数を利用した近似式」を作ると? f(n)cosx=cos(x+n・π/2)から、微分回数がmod(n,k)=0,1,2,3で、cos→-sin→-cos→sinをくり返す。 だから、f(n)(0)はmod(n,K)=0,1,2,3で、1→0→-1→0をくり返す。 cosxのときの微分係数の周期は同じで、スタートが0でなく1になっただけだね。 f(x)=1+0x-1x2/2!+0x3/3!+.......+{1,0,-1,0}/n!xn+....... cosx= 1 -x2/2! +x4/4! -x6/6!+...........+(-1)nx(2n)/(2n)!+...... (例) 「f(x)=log(1+x)とすると、f(x)のマクローリン級数を利用した近似式」を作ると? f(k)log(1+x)は、k=0,1,2,3,...log(1+x)→1/(1+x)→-1/(1+x)2→1・2/(1+x)3....となる。 f(n)log(1+x)=(-1)(n-1)・(n-1)!/(1+x)n だから、f(n)(0)は0→1→-1→2!→-3!.....となるから、 f(x)=0+1x-1x2/2!+2!x3/3!-3!x4/4!+4!x5/5!......+{1,-1}xn/n+....... log(1+x)= x -x2/2 +x3/3 -x4/4+...........+(-1)(n-1)xn/n+......

2.極大・極小と利用

・導関数の0点が極大か極小の点になるので、範囲を限定すると最大・最小を求めることにつながります。 ・関数と関数の大小関係は不等式の証明に使えます。  f>gを証明するためにはh(x)=fーgがつねに正であることを証明すればよい。  だから、最小値が正であることが言えれば良い。 以上のようにグラフの概形、上下関係、極大極小などデータが、最大・最小、不等式の扱いに 役立つことは数学Ⅰ、Ⅱでも十分やっている。 <複合関数方程式の解の個数> ここでは、  三角関数・対数関数・指数関数を組み合わせた複合方程式で、その解の個数を探りたい。 (例) 「x=kexの解の個数」は? kについて解くと、k=f(x)=x・e-x x軸に平行な直線y=kと、曲線y=f(x)の交点の個数が解の個数になる。 f(0)=0で原点を通る。e-xは常に正だから、xが正なら正、xが負なら負になる。 f'=(1-x)e-x=0となるのはx=1で、xが1未満なら正で増加、1より大で減少。だから、x=1で最大。 最大値はf(1)=1/e。 これから、kが1/eを超えると1個、k=1/eで1個。k>0で2個。kが0以下で1個。 (例) 「kex=sinx(xが0以上2π以下)の解の個数」は? kについて解くと、k=f(x)=sinx・e-x x軸に平行な直線y=kと、曲線y=f(x)の交点の個数が解の個数になる。 f(0)=0で原点を通る。e-xは常に正だから、xが0からπまでsinxが正だから正、そのあとはゼロ以下。 f'(x)=cosx・e-x-sinx・e-x0=(cosx- sinx)・e-x 合成関数asinx+bcosx=nsin(x+p)のn,pは複素数(a,b)=(n;p)の極形式で出せるね。 (-1,1)=(√2;3π/4)から、 cosx-sinx=-sinx+cosx=√2sin(x+3π/4)=0の解はx=π/4、5π/4で。この値で極値。 xが0からπ/4までは正で増加し、π/4で最大。f(π/4)=1/√2/eπ/4 xがπ/から5π/4までは負で減少し、5π/4で最小。f(5π/4)=-1/√2/e5π/4 xが5π/4から2πまでは正で増加。f(2π)=0