20.積分と長さ
★サイクロイドの長さ
1.線分の長さ
このページは電子ブック「探求 数学Ⅲ」の一部です。
曲線の小部分の長さΔ2s=Δ2x+Δ2yとなるから、極限はd2s=d2x+d2yとなるだろう。
これは、ピタゴラスの定理を使っただけ。
ds= これをxの積分区間[a,b]でSumすればよいね。
もしも、x,yともにパラメータtの関数f(t),g(t)となっているなら、
と微分形式で変形できるね。
また、動点が極座標(r;θ)のrがθの関数f(θ)となるとき、
もとの点(f(θ);θ)と(f(θ+Δθ);θ+Δθ)の距離は動径の増加Δrと回転による増加rΔθを2辺とする
直角三角形の斜辺と見ることができるから、ds=
(例)カテナリー[catenary]
けんすい線(重力でたれるひも)
カテナリーは、ラテン語の鎖の意味のカテーナ[catena]から来ているらしい。
「y=acoh(x/a)=a/2(ex/a+e-x/a)のx=[-b,b]の区間での長さL」は?
y軸対称なので、積分区間を[0,b]として2倍すればよい。
y'=sinh(x/a)とcos2hx-sin2hx=1から、ds=√(1+(y')2)=√(1+sih2(x/a))=cosh(x/a)だから、
L=2integral(cosh(x/a),0,b)=2(asinh(b/a)-asinh(0/a))=(a(eb/a-e-b/a)-a(e0/a-e-0/a))
=a(eb/a-e-b/a)
(例)サイクロイド[cycloid]
「aが正数で、x=a(t-sint),y=a(1-cost)のt=[0,2π]の区間での長さL」は?
x'=a(1-cost), y'=a sintからds=√(x')2+(y')2)=a√((1-cost)2+sin2t)=a√(2(1-cost))=a√(2・2sin2t/2))
=2a sin(t/2)
L=integral(2a sin(t/2),0,2π)=2a integral(sin(t/2),0,2π)=2a(( -2cos(2π/2)-(-2cos(0/2)))
=2a(2+2)=8a
(例)アステロイド[asteroid]
「aが正数で、x=acos3t,y=asin3tのt=[0,2π]の区間での長さL」は?
x'=3acos2t(-sint), y'=3asin2t costからds=√(x')2+(y')2)=3a sint・cost√(cost2+sin2t)=3a sint・cost
=3/2a sin(2t)
対称性から、t=[0,π/2]で求めて4倍すればよい。
L=4integral(3/2a sin(2t),0,π/2)=6a integral(sin(2t),0,π/2)=6a[ (-1/2cos(2・π/2)-(-1/2cos(2・0)))
=6a(1/2+1/2)=6a
(例)カージオイド[cardioid]
「r=f(θ)=a(1+cosθ) (aは正)のθ=[-π,π]の区間での長さL」は?
f'=-asinθだから、ds=a√(1+cosθ)2+(sin2θ))=2a sin(θ/2) (上のサイクロイドと同じ計算)
x軸対称なので、θ=[0,π]で求めて2倍しよう。
L=2integral(2a sin(t/2),0,π)=4a integral(sin(t/2),0,π)=4a(( -2cos(π/2)-(-2cos(0/2)))
=4a(0+2)=8a