ピタゴラス数から直角三角形の基本定理へ

作成者:
Bunryu Kamimura

赤い点と橙の点がピタゴラス数です。分布がわかります。どんどん縮小してみましょう。何が見えてくるでしょうか?

フェルマーの「直角三角形の基本定理」

ここで直角三角形の斜辺の数に着目して計算してみよう。 この数は偶数と奇数の平方数から求めることができる。⇒下の表 ①斜辺の数は必ず二つの平方数の和であらわされる。(なぜだろう?)  例えば5=1+4,13=4+9,20=4+16,・・・ ②斜辺の数には素数も出てくる。  5,13,17,29,37,41,・・・  この素数はどういう素数だろうか? ③そうすると「4で割ると1余る素数は二つの平方数の和で組み立てられる」  ということが予想される。 これはフェルマーの「二平方定理」とも言われている ⇒ 二個の平方数の和 - Wikipedia フェルマーはこうやって発見したのではないか。

素数表 念のために

斜辺のピタゴラス数  このピタゴラス数は必ず二つの平方数の和であらわされる。しかも一通りの和になる。このピタゴラス数が素数の場合に注目してみよう。どういう素数だろうか?

斜辺のピタゴラス数の求め方のサイトへ

ピタゴラス数  この方法(グノモンを使った)では、出てこないピタゴラス数がある。例えば29。          ⇒【すべてのピタゴラス数】 なお上の表で偶数の場合のピタゴラス数で、2,10,26,50,82,・・・について、 これは平方数も偶数であり、斜辺のピタゴラス数も偶数なので、もう一つのピタゴラス数も偶数となって 2で約分できるので既約ではない。よってこれは除く。 これ以外のピタゴラス数は4で割ると必ず1余る。 その証明は、 a+b=cは、偶+偶=偶では既約でないので、奇+遇=奇の場合しかない。 一方(m2-n2)2+(2mn)2=(m2+n2)2 なので、mとnは偶数と奇数 (2m)2+(2n+1)2=4m2+4n2+4n+1=4(m2+n2+n)+1となり4で割ると1余る。 よって、 既約な直角三角形の斜辺のピタゴラス数は、平方数の和であり、4で割ると1余る。 この数の中には素数があるので、ピタゴラス数になる素数にも当てはまる。 では逆に「4で割ると1余る素数は平方数の和であらわされる」のではないだろうか? これがフェルマーが予想した「直角三角形の基本定理」。