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17.定積分の利用

★挟み撃ち

★置換積分であ~らカンタン!

★効率よく部分積分しよう。

1.定積分の確認

このページは電子ブック「探求 数学Ⅲ」の一部です。 <区分求積法> 関数f(x)の定義域の閉区間[a,b]を適当にn個の区間に細分a=a0, a1,...,ai,...an=bして、 f(ai)と細分された幅hiとの積Si=f(ai)hiの和In=∑Siを近似和という。 この和をn→∞にしたときhi→dxとなるので、 Inの極限値limIn=Iを定積分という。limn→0f(ai)hi=∫f(x)dxとかく。 この細分は区間の等分とはかぎらず一定値に収束するとき、Iを[a,b]で積分可能という。 一般には、細分化は等分することが多い。区間をn等分した場合、 細分幅はh=(b-a)/nで、ai=a+i・hとなる。Si=hf(ai) の和はIn=h∑f(ai)。 さらにa=0,b=1であれば、h=(1-0)/n=1/n、ai=a+i/n=0+i/n=i/n。 細分でできる短冊は2つのメモリで挟まれている。 ・0スタートのメモリ、短冊の左側のメモリで高さf(x)を求めると、 1枚めの短冊の高さはf(0/n)=f(0)になり、n枚目の高さがf((n-1)/n)になるから、 ・1スタートのメモリ、短冊の右側のメモリで高さf(x)を求めると、 1枚目の短冊の高さはf(1/n)になり、n枚目の高さがf(n/n)=f(1)になるから、 ・左固定、右固定ではなくて、1つの細分に対する左右の高さのうち小さい方だけあつめた 下方和[LowerSum]と大きい方だけあつめた上方和[UpperSum]のそれぞれの極限値は 曲線積分値を挟み撃ちすることでも積分可能が説明できるね。 (例) 「自然数nについて、1+1/2+1/3+....+1/n>log(n+1)が成り立つ」のはどうして? y=1/xは減少関数なので、f(x)>f(x+1)となるね。 だから、x=kとx=k+1の2メモリにはさまれた短冊S(k)の高さをf(k)=1/kとすると、短冊の右端の曲線との交点の高さがf(k+1)でf(k)より小さい。 だから、この短冊の面積f(k)よりも、曲線の下の面積integral(1/x,k,k+1)は小さい。つまり、 このような短冊S(k)をk=1,2,3,.......,nと動かして合計したのが、Sum(S(k),k,1,n)=1/1+1/2+......+1/n。 これよりも曲線の下の面積もk=1,2,3,......,nと動かした合計integral(1/x,1,n+1)=が小さい。 <定積分と不定積分のつながり> ここで、bを動かした関数 を定義するとき、この微分はとなる。 つまり、S(x)はf(x)の原始関数の1つだ。だらか、F(x)=S(x)+Cとおける。 すると、F(b)-F(a)=S(b)-S(a)= この等式の最初と最後から、 (不定積分の基本) ・定積分は線形[linear]の操作である。(和・差・定数倍は積分記号の外に出せる。)  線形だから、ベクトルと同じで折れ線をつなぐように切ったりつないだりできる。  たとえば、integral(f,a,c)+integral(f,c,b)=integral(f,a,b)のように。 ・定積分はf(x)が区間[a,b]で0以上ならば、その区間での関数とx軸がはさむ面積を意味する。 ・区間[a,a]の定積分は0である。 ・定積分も微分係数と同様に中間値の定理、平均値の定理が成り立つ。 <偶関数と奇関数> 偶関数f(x)はy軸対称なので、f(-x)=f(x)からintegral(f(x),-a,a)=2 integral(f(x),0,a) 奇関数f(x)は原点対称なので、f(-x)+f(x)=0からintegral(f(x),-a,a)=0。 (例)の値」は? =1/2(log3-log1)=1/2・log3 (例)の値」は? 置換積分しよう。x=tanθとおくと、x=[0,1]のときθ=[0,π/4]。dx/dθ=1/cos2θ だから、dx=1/cos2θ dθ。 また、1+tan2θ=1/cos2θも使える。 Q= (例)の値」は? 部分積分しよう。F,G=1+x, log(1+x)とすると、f,g=1,1/(1+x)だから、 R= (例)の値」は? =(log2-log1)=log2

数列の和の不等式をイメージしよう

2.定積分を入れ子に持つ関数

積分方程式から関数を求める。 見かけは複雑になるけど、定積分は数値だから文字で仮定して求めよう。 たとえば、f(x)=sinx+ のときのf(x)を求めたいとする。 定積分をAとしよう。f(x)=sinx+Aだから、cost dt=df/dt dt =f'(t)dt。部分積分をしよう。 (部分積分では、積分区間は変わらないので、途中式では省略する) A=∫f(t)cost dt =∫ f(t)f'(t) dt=f(t)f(t) - ∫ f'(t)f(t)dt=f(t)2-A。 2A=(sin(π/6)+A)2-(sin0+A)2=1/4+A。だから、A=1/4。 (例) 「f(x)=x+ のときの関数の定積分の数値」は? 定積分をAとすると、f(x)=x+Aだから、f'(t)=df/dt= 1 g(t)=etとすると、 (g)'=g。部分積分をしよう。 (部分積分では、積分区間は変わらないので、途中式では省略する) A=∫g'f(t)dt=[gf]-∫gf' dt=[et(t+A)-et]=[et(t+A-1)]=(e1(1+A-1))-(e0(0+A-1))=eA-(A-1)=A(e-1)+1。 これから、A(1-e+1)=1なので、A=

3.2変数関数の積分

2変数関数の積分 積分変数でない文字は数値として扱えばいいね。 同じ関数でも積分変数がちがうと積分関数も変わるね。 I(x)=∫(2t・x - t2)dx=tx2 - t2x 積分区間x=[0,1]ならば、I(1)-I(0)=t - t2 J(t)=∫(2t・x - t2)dt=xt2 - 1/3t3 積分区間t=[0,1]ならば、J(1)-J(0)=x-1/3 (例) 「f(x)=を最小とするxの値」は? 積分関数を展開する。tを変数とすると(1)sin2t- (2x)tsint+(x2)t2どの項も偶関数。 だから積分区間t=[0,π]の値の2倍になる。 A=sin2t, B=tsint,C=t2とすると、tについて積分すると定数になる。 2integral[A,0,π]=2integral[(1-cos2t)/2,0,π]=integral[1-cos2t,0,π]=π-1/2sin2π-(0-1/2sin0)=π 2integral[B,0,π]=2[t(-cost)+sinx,0,π]=2(π-0)=2π(部分積分の結果) 2integral[C,0,π]=2[1/3t3, 0, π]=2/3π3-0=2/3π3 f(x)=2integral[(1)sin2t- (2x)tsint+(x2)t2,0,π]=(1)π-(2x)2π+(x2)2/3π3 f(x)=2/3π3x2-4πx+π。y=f(x)は下に凸なので、はf'(x)=4/3π3x-4π=0で最小。 f'(x)=0の解はx=3/π2