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19.微分の活用

1.3次関数の分析

<3次方程式の解> ・3次方程式の解の個数を求めたり、解の分離をするために、 微分してグラフの外形の情報を作る。3次曲線の特性を計量的にさぐろう。 ・f(x)=x2(x-3k)=x3-3kx2はx=0,3kの2つの実数解をもつ。......グラフ1とする 導関数f'(x)=3x2-6kx=3x(x-2k)=0の解x=0,2kで極値をもつ。f(2k)=(2k)2(2k-3k)=-4k3もちろんD>0。 さらに微分してf''(x)=6x-6k=0とすると、x=k。f(k)=k2(k-3k)=-2k3 点Middle(k,-2k3)は極大点Top(0,0)と極小点Bottom(2k,-4k3)の中点。 点Middleは凸から下に凸に入れ替わるへそがあり、ここで点対称になる。だからRight(3k,0)の対称点は x=k-(3k-k)=-kからLeft(-k,-4k3)となるはずで、実際にf(-k)=(-k)2(-k-3k)=-4k3=f(2k)となる。 4点Left,Top,Middle,Bottom,Rightのx座標は、-k,0,k,2k,3kと等差数列になる。 また、y座標はk³を単位として、-4,0,-2,-4,0(倍)と位置変化している。 3次関数なだけに、0から0に戻ったり-4から-4に戻るのに、3個単位になっている。 2次関数のような、2個単位のカーブとはちがう曲がり方になっていることがわかる。 f(x)=(x+k)2(x+k-3k)+2k3=x3-3k2x=x(x2-3k2)は3つの実数解x=0.√3k,-√3kをもつ。 ......グラフ2とする。グラフ1の点Middle(k,-2k3)を原点(0,0)に平行移動したもの。 導関数f'(x)=3x2-3k2=3(x-k)(x+k)=0の解x=-k,+kで極値をもつ。f(-k)=-2k3,f(k)=2k3=-f(-k)。もちろんD>0。 さらに微分してf''(x)=6x=0とすると、x=0。f(0)=0 点Middle(0,0)は極大点Top(-k,-2k3)と極小点Bottom(k,2k3)の中点。 点Middleは凸から下に凸に入れ替わるへそがあり、ここで点対称になる。 だからRight(2k,f(2k))=(2k,2k3)の対称点はLeft(-2k,-2k3)となるはずで、 実際にf(-2k)=(-2k)((-2k)2-3k2)=-2k3=f(2k)となる。 4点Left,Top,Middle,Bottom,Rightのx座標は、-2k,k,0,k,2kと等差数列になる。 また、y座標は2k³を単位として、-1,1,0,-1,1(倍)と位置変化している。 3次関数なだけに、-1から-1に戻ったり1から1に戻るのに、3個単位になっている。 2次関数のような、2個単位のカーブとはちがう曲がり方になっていることがわかる。 ・1つの実数解のみをもつ場合  導関数の判別式が0以下では極値がないので、3次曲線は直線のようにx軸と1回だけ交わる。  導関数の判別式が正の場合でも、極小値になる臨界数のx=pで、f(p)>0ならx軸との交点は1個のみ。 (例)「3次方程式2x3-ax2+1=0が異なる2実数解をもつときの定数a」は?  f(x)=2x3-ax2+1は必ず1つ以上の実数解をもつ。3個の実数解を持たないということは、あと1個は  重複解である。xを-∞から正へ順に動かすと、f(x)は(ー,0,極大,0(=極小),+)という順のグラフ。  導関数f'(x)=6x2-2ax=6x(x-a/3)=0の解x=0,a/3。  f(0)=1が正だからx=0では極小にならず、a/3は0より大。  f(a/3)=2/27a3-1/9a3+1=-1/27a3+1=0。a3=27から、a=3。 (例)「3次係数1の3次関数y=f(x)がx=αで極大、x=βで極小のときf((α+β)/2)=(f(α)+f(β))/2」の理由は? 3次方程式f(x)=x3+ax2+bx+c=0とすると、α<βはf'(x)=3x2+2ax+b=0の2解。α+β=-2a/3, αβ=b/3。 m=(α+β)/2=-a/3。 左辺=f(m)=m3+am2+bm+c=(-a/3)2(-a/3+a)+b(-a/3)+c=-2/27a3-1/3ab+c α33=(α+β)3-3αβ(α+β)=(-2/3a)3-3(b/3)(-2/3a)=-8/27 a3+2/3ab a(α22)=a((α+β)2-2αβ))=a((-2/3a)2-2(b/3)) = 4/9 a3 - 2/3ab b(α+β)=b(-2/3a)=-2/3ab 右辺=(-8/27 a3+ 4/9 a3 -2/3ab +2c)/2=-2/27 a3 -1/3ab +c。左辺=右辺で証明終わり。 右辺(3(α22)+a(α+β)+2b)/2=3((-a/3)2-2(b/3))+a(-a/3)+2b)/2=a2/9-2/3b-a2/3+ (例)「3次方程式x3-3/2x2-6x-k=0が3実数解をもち小さい順にα、β、γとすると、  3実数解はP以上Q以下の範囲にあり、α、β、γの境界がR,Sになる。P,Q,R,Sの値」は?  f(x)=x3-3/2x2-6xとおくと、f'(x)=3x2-3x-6=3(x+1)(x-2)=0の解は2,-1。  kが極大f(-1)=7/2と極小f(2)=-10の間を動けば、3実数解を持つ。  極大値の点Top(-1,7/2)と、極小値の点Bottom(2,-1)の中点をMiddleとする。  x(Middle)=(x(Bottom)+x(Top))/2=(2-1)/2=1/2。この3点のx座標は等差数列になる。  公差d=x(Bottom)-x(Middle)=2-1/2=3/2。x(Bottom)+d=2+3/2=7/2をx座標にするfの点をRightとする。  x(Top)-d=-1-3/2=-5/2をx座標にするfの点をLeftとする。  3次曲線の特性から、y(Right)=y(Top)=7/2、y(Left)=y(Bottom)=-10となる。  これから、直線y=kは2点Left, Rightを結ぶ対角線をもつ長方形の中を平行移動する。  だから、 αはLeftからTopまでのグラフとの交点、 βはTopからBottomまでのグラフとの交点、 γはBottomからRightまでグラフとの交点となる。 P,Q,R,S = -5/2, 7/2, -1,2。  

★α、β、γはどこにある?

2.さまざまな変化の分析

微分を使うことで、変化のおよその形がわかります。 <最大化・最小化> 定義域が実数全体でない3次関数には、最大値・最小値がある。 定義域の2つの際と、極大値・極小値が、最大値・最小値の候補になる。 ・手順 条件が数式になっていないときは、変数xと関数値の関係式を作る。 微分によって変化の傾向と極大値・極小値の有無や、なりうるxの値を求めよう。 可能性のあるx(定義域の際導関数=0の解x)での関数値を求める。 (例)f(x)=x3-x2-x+2(xは−1以上2以下の変域)の最大値と最小値 導関数f'(x)=3x2-2x-1=(3x+1)(x-1)=0の解はx=-1/3,1。このx以外に可能性のあるxは定義域の際。 f(-1)=1, f(-1/3)=59/27, f(1)=1,f(2)=4。から、最大値4,最小値1 (例)1辺10cmの正方形の4角から一辺xの正方形を切り落として作る容積が最大となるxは? V(x)=x(10-2x)2=4x(x-5)2=4(x3-10x2+25x),導関数V'(x)=4(3x2-20x+25)=4(3x-5)(x-5)=0からx=5/3,5。 xは0と10/2=5の間が変域。V(0)=V(5)=0から、V(5/3)で最大。x=5/3。 (例)「θを正でπ/2以下とするときf=sin3θ+cos3θのとる範囲」は? sinθ+cosθ=tとすると、√(12+12)=√2から合成するとt=√2(sin(θ+π/4))は√2・1/√2=1以上√2・1=√2以下。 f(t)=t3- 3t sinθcosθ= t3-3t (t2-1)/2= (- t3+3t)/2。f'(t)=(-3t2+3)/2=-3/2(t+1)(t-1) t=±1で極値で、f(t)の3次係数が負で、t変域が1以上√2だから、t=1で最大それからt=√2は減少する。 f(1)=(-1+3)/2=1からf(√2)=(-2√2+3√2)/2=√2/2まで減少 (例)「実数x,y,zでx+y+z=0,x2+x-yz-1=0のときのxの範囲とP=x3+y3+z3の範囲」は? xとx以外に等式で分離しよう。-x=y+z, x2+x--1=yz。yとzの和差の式と解と係数関係から yとzはt2+xt+x2+x-1=0の実数解。D=x2-4(x2+x-1)=-3x2-4x+4=-(3x-2)(x+2)が非負で、xは-2以上2/3以下。  y3+z3=(y+z)3-3yz(y+z)=(-x)3-3(x2+x--1)(-x)=(-x)((-x)2-3(x2+x--1))=(-x)(-2x2-3x+3)=2x3+3x2-3xだから、 P(x)=3x3+3x2-3x=3x(x2+x-1) P'(x)=9x2+6x-3=3(3x2+2x-1)=3(3x-1)(x+1)=0からx=-1,1/3で極値。 P(-2)=3(-2)(4-2-1)=-6 ↗ P(-1)=3(-1)(1-1-1)=3(極大)↘P(1/3)=3(1/3)(1/9+1/3-1)=-5/9(極小)↗ P(2/3)=3(2/3)(4/9+2/3-1)=2/2 この増減から、Pの範囲は-6以上3以下。

★3本の接線

3.接線の変化

接線の傾きが導関数で表せることを使うと、接線の問題と微分がつながります。 <放物線外からの接線> たとえば、点A(1,ー1)から放物線[parabola]y=x2への接線をひくときの接点Bのx座標を求めたい。 (解1) 導関数は(x2)'=2xだから、接点をB(x,x2)とすると、Bでの傾きは2通りで表せる。 y(AB)/x(AB)=(x2-(-1))/(x-1)=2xとなるね。x2+1=2x(x-1)。x2-2x-1=0を解いて、 接点Bのx座標はx=1+√2, 1-√2。傾きは2xから2倍すれば出せる。 (解2) 微分を使わない場合は、接線の方程式をy=m(x-1)-1とおく。 y=x2と連立した方程式x2-mx+m+1=0の解が重複解をもつため、 判別式D=m2-4(m+1)=m2-4m-4=0として、m=2+2√2,2-2√2となる。 これからmの値をxの方程式に代入してそれぞれxを求められるが、遠回りだ。 (例) 「点P(1,a)から曲線y=x3+3x2へ3本の接線が引けるときのaの範囲」は? 導関数はy'=3x2+6xだから、接点をQ(x, x3+3x2)とすると、接線の傾き=y(PQ)/x(PQ) =(x3+3x2-a)/(x-1)=3x2+6x。x3+3x2-a=(3x2+6x)(x-1)=3x3+6x2-3x2-6x=3x3+3x2-6x これから、2x3-6x=aこれが異なる3実数解をもてばよいね。 扱いやすく言い換える。f(x)=2x3-6xとy=aが3交点をもつときのaの範囲を調べよう。 f'(x)=6x2-6=6(x-1)(x+1)=0の解x=±1で極値。f(1)=2-6=-4。f(-1)=-2+6=4から、aの範囲は-4と4の間。 (例) 「点P(a,b)から曲線y=x3-2xへ3本の接線が引ける点Pの存在範囲」は? 導関数はy'=3x2-2だ。接点をQ(x, x3-2x)とすると、接線の傾き=y(PQ)/x(PQ) =(x3-2x-b)/(x-a)=3x2-2。x3-2x-b=(3x2-2)(x-a)=3x3-3ax2-2x+2a=3x3-3ax2-2x+2a これから、f(x)=2x3-3ax2+2a+b=0これが異なる3実数解をもてばよいね。 f'(x)=6x2-6ax=6x(x-a)=0から、x=0,aで極値。 f(0)f(a)<0なら、区間[0,a]の間でもx軸と交わり3実数解をもつ。 g(a,b)=f(0)f(a)=(2a+b)(-a3+2a+b)が負になる領域が(a,b)の存在範囲になるね。 <放物線内からの法線> たとえば、点A(3,15)からy=1/16x2への法線をひくとき交点Bのx座標を求めたい。 (解) 導関数は(1/16x2)'=1/8xだから、接点をB(x,1/16x2)とすると、Bでの法線の傾きは y(AB)/x(AB)=(1/16x2-15)/(x-3)。これは法線の傾きと接線の傾きの積は−1だから、-1÷(x/8)=-8/x だから、, f(-4)=-64+448-384=0 因数定理から(1 0 -112 -384)÷(1 4)=( 1 -4 -96) x2-4x-96=(x+8)(x-12)=0。以上からx=-4,-8,12が法線が放物線に交わる3点のx座標となる。

★パラボラへの接線

★パラボラへの法線